NHKスペシャル「人体」がとても興味深かった。
再放送を録画して何度か見直した。
備忘録としてまとめを残しておくことにした。
骨が出すメッセージ物質が若さを保つ秘訣
骨の量が減るとさまざまな老化現象が進む。
骨から発せられるメッセージ物質が老化を抑える可能性のあることが最近の研究で分かってきている。
①記憶力アップ:オステオカルシン
遺伝的にオステオカルシンの作れないマウスは、オステオカルシンのある通常のマウスに比べて海馬が小さいといことが、実験で分かっている。
つまり、骨から発せられるメッセージ物質は、血液を通して脳(海馬)に伝わり「記憶力アップ」に重要な影響を与えている。
②免疫力アップ物質:オステオポンチン
年老いたマウスではオステオポンチンの量が少なくなっている。
オステオポンチンを与えたマウスは、オステオポンチンのないマウスよりも免疫細胞の量が2倍多いことが実験で分かっている。
ただし、オステオポンチンの実験はマウスレベルの実験であり人間で変化が見られるのかはこれからの研究による。
③筋力アップ:オステオカルシン
オステオカルシンは脳ではなく筋肉に伝わると筋力のエネルギー効率を高め筋力アップに重要な影響を与える。
④精力アップ:オステオカルシン
オステオカルシンにはテストステロンという男性ホルモンを増やす働きがある。
オステオカルシンがないと精子の数が半分に減ることが分かっている。
骨は若さをつかさどる臓器である。
カルシウムを取ることは重要だが、ただ取るだけでは充分ではない。
骨を強くする必要がある。
骨自身が自分自身の強さを決めるメッセージを出している。
骨の生成メカニズム
スクレロスチン:骨の量を抑制するメッセージ物質
・骨量の少ない病気=スクレロスチンが多い
・骨量が増え続ける病気=スクレロスチンが少ないか全くない
骨はカルシウムの貯蔵庫である。
体内にカルシウムを放出するためには骨を壊し再生することを繰り返している。
骨は3~5年で全て作り替わる。
骨が十分再生されると、骨の再生に利用される骨芽細胞を抑制するためにスクレロスチンが骨細胞から放出される。
骨を作る骨芽細胞が「記憶力アップ」「免疫力アップ」「筋力アップ」「精力アップ」という若さの源となるメッセージ物質を全身に出している。
決め手は「骨芽細胞」である。
骨芽細胞は骨を作る細胞であるので、骨を作る、骨を強くすることが若さの秘訣である。
骨に衝撃を与えると骨が強くなる。
運動習慣の違いと骨粗しょう症予備軍に関するの実験
- 週6時間以上ランニングを習慣にしている人たちの中で、骨量が少ない傾向にある人は19%
- 週6時間以上自転車を習慣にしている人たちの中で、骨量が少ない傾向にある人は63%
その差は実に3倍以上。
ランニングは骨に衝撃を与えているが、自転車は骨への衝撃が少ないと考えられる。
骨に衝撃を与えると骨が強くなる。
衝撃を感知すると骨は強くなろうとする。
骨量の低い人にジャンプ運動をさせる実験
- 一日30分を週3回ジャンプする運動を一年間実施
- 実験の結果、19人中18人の骨量が増えていた。(骨が強くなった)
- スクレロスチンの量も減少していた。(骨が作られた)
骨に衝撃を与えると衝撃センサーである骨細胞が諸劇を感知すると、骨を作るのをやめるスクレロスチンの分泌を抑制させる。
骨をつよくするために骨芽細胞が増え、その骨芽細胞から全身に若さを保つメッセージ物質が送られることになる。
骨の役割とは
なぜ骨は、衝撃を感知する役割と臓器の若さを保つ役割という、二つの役割を持つようになったのか。
それは、進化の過程でより活動的で活発な個体を生き残らせるためである。
狩りをする筋力、記憶力、子孫を残す精力、そして免疫力、活発な個体を生き残らせるためには、これらのすべてが必要なのである。
骨は、衝撃を感知することで若さを保つ物質を全身に送るシステムをつくりあげていると考えられている。
若さを保つために骨を刺激するおすすめの運動
- ランニング
- 階段の上り下り
- 水中ウォーキング
- ヨガ
- ストレッチ
骨に衝撃を与える運動を活発に行い、若さを保つ物質を全身に届けよう!